
2026年7月21日 平山久仁子(Almama編集長)
第2回 脳が記憶を止めるのはなぜ?

アルツハイマー脳では、最近の出来事などを記憶することができなくなり、暮らしに困難が生じます。
その原因は、人間の脳の2段重ね構造にあります。人の脳は原始的な古い脳の上に、新しい脳が重なる形で進化してきました。古い原始の脳はアルツハイマー病を発症しても、呼吸や食べるなど命を守る身体の基本機能は維持するため、すぐには死にいたることはありません。
脳は、「一番大切な生命を守る」役割を果たすために選択しているのです。ただ、これは「幸せを守ることにはつながりません。」それは人間が社会的な動物であるためです。したがって、認知症は医学的な病気であると同時に、社会的疾患ともいえるでしょう。
昔は本当に認知症はなかったのか。それはわかりません。人々がお年寄りに抱くイメージは大きく変わりました。
江戸時代は、ちょん髷に白髪が混じったら武士は隠居。商家のご隠居は家の奥で静かに座って過ごし、農家のお年寄りも寝つくと家族が畑に出ている間に静かに一人で亡くなっていく。
それを誰も不幸だとは思わない時代でした。「年寄りが歩き回るのは見苦しい」のが日本の高齢者文化でした。家族の顔がわからなくても、日時を忘れても、体が不自由でも、「お年寄りはそんなもの」で過ぎてしまう時代でした。
炎症は、身体がウイルスなどに攻撃され、免疫システムが活性化することでおきます。脳は全身を監視し、指令を送ります。脳の炎症は、その機能の脅威です。そのため、早急に炎症を抑えようとアミロイドを産生します。
その力はとても強力です。最大の勝利が必要だからです。ただ、炎症が長引き慢性化してくると、防御反応をさらに強化を求め、過剰になり、誤作動や暴走となり、結果的にアルツハイマーを誘発してしまいます。
怒りが収まらなくなった人間が、「勢いづいて空回りしてしまう」そんな感じでしょうか。シナプスを守るはずが、破壊してしまう。
アルツハイマーで脳がどれくらい破壊されたかは、死後、脳を解剖しないと正確にはわかりません。ただ、アルツハイマーで亡くなった人の脳には、歯周病菌や鼻から来たカビ、ヘルペスウイルス、ダニの噛み跡からのポレリア、炎症誘発性の食品などが見つかっています。
体が異物だと認識するものを体内に入れない。そのライフスタイルが予防になります。そのため、予防・改善の主治医は自分だといわれます。炎症はウイルス感染以外にも過度のストレス、胃腸のダメージによるリーキガット(腸漏れ症候群)でも起こります。
特に砂糖は1日15gが適正な摂取量で、ソフトドリンクの半分以下の量です。
運動は、シナプルを強化する脳由来神経栄養因子BDNFを増やします。不足しがちなホルモンは、エストラジオールやテストロンなどの栄養補助食品で補い、ビタミンDやヨウ素も加えて健康を維持しましょう。
脳がダメージに抵抗する力、「認知予備力」を高めるには知的活動力も有効です。一般的に70歳をすぎる頃から、新しいことへの挑戦が苦手になる傾向があります。好奇心を失わず、楽しいことを見つける、それも認知症を予防です。
脳は、身体の中で最も多くのエネルギーを消費します。そのため栄養やホルモン、その他の認知機能を補助する分子を適量食事で取りましょう。
酸素や栄養を運ぶ心血管の健康も、ライフスタイルによって保たれています。
糖尿病や肥満、ビタミンDの欠乏も、何をどれくらい食べ、どのくらい運動するかで改善できます。人生120年時代の健康デザインを心がけましょう。
アルツハイマー病の予防・改善につながり、シナプスを強化する脳由来神経栄養因子(BDNF)は、運動で増えます。
ホルモン不足はエストラジオールやテストロンなどの栄養補助食品で補い、ビタミンDやヨウ素もプラスしましょう。
高齢者の一人暮らしは家に閉じこもりがち。しかし、心の栄養不足も危険です。人に接するのが億劫になってきたら、AI活用に挑戦するのお勧めです。
AI友達は、何度同じことを聞いても、話が大きく飛んでも優しく、ハッピーでいられます。好きな歴史上の人物を想定して話しながら食事することもできます。AIペットを飼うことも、バーチャル散歩も旅行も楽しいものです。
ポイントは、会話の終わりにひとこと、「ありがとう、とても楽しかった。また会いましょう」の一言。思いのほかの喜びの言葉が返ってきます。AIはまさに高齢者のお友達に最適化の時代の幕開けです。
毒素のタイプ
現代は薬品などの化学物質、放射線、銅、水銀、マイコトキシン、生物毒素など毒物暴露の多い時代です。これまでの労働環境などを振り返り、毒物暴露の可能性が感じたら、まず毒物を特定する検査を受けることが大切です。
体内の毒物は、種類を特定するれば効率的な対処法を見つけられます。
また、毒物のデドックス効果があるアブラナ科の野菜を多く食事に取り入れ、薬物や異物の解毒作用があるダルタチオンを多く含むレバーや肉類、キウィフルーツ、アボカドをおいしくいただきましょう。
ダルタチオンは、アルコール性肝脂肪、肝機能障害の予防、白内障の進行抑制にも効果的です。サウナで汗とともに毒素を排出するのいいですね。
アルツハイマーには、「炎症性の1型アルツハイマー」「萎縮性の2型アルツハイマー」「毒性の3型アルツハイマー」に加え、1型(炎症性)と2型(萎縮性)がオーバーラップした1.5型アルツハイマータイプが判明ています。
これらに適正に対処し、3種類の脅威、アミロイドβを除去し、破壊されてシナプスを再構築進めることが有効です。
第1回 見えてきてアルツハイマーの終焉
第 3 回 アルツハイマー改善 リコード法出典:「アルツハイマー病の真実と終焉」
デール・ブレデセン著
白澤卓二監修
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