
2026年7月22日 平山久仁子(Almama編集長)
帯状疱疹の原因は、子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)です。このウイルスは治ったあとも何十年も体内に静かに潜み続け、神経に潜伏し、免疫が落ちたときに暴れ出し帯状疱疹を引き起こします。
身近なウイルスですが、将来の認知症リスクと深く関わっていることが知られています。
研究では、アメリカの1億人以上の医療記録の分析結果から、帯状疱疹の発症やその予防ワクチンが、認知症リスクにどう影響するのかも報告されています。
高齢者の帯状疱疹接種

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)は、ほとんどの成人が体内に持っている一般的なウイルスです。初めての感染は「水ぼうそう」として子供の頃に発症することが多いのが特徴です。問題は、症状がなくなってもウイルスが神経節(神経細胞が集まる場所)に潜伏しまま、生涯人体の内で生き続けることです。
そのため、加齢やストレス、免疫力の低下などで、再び活性化します。このウイルスは、神経を好み、体の片側に痛みを伴う水ぶくれが現れ、痛み長期化しやすいのが特緒です。
研究によると水痘・帯状疱疹ウイルスが、脳内で炎症を引き起こしたり、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβのような異常タンパク質の蓄積を促したりすることがわかっtwいます。
アメリカでは、1億人以上の匿名化された個人の医療記録を最新の機械学習技術で調査した結果、認知症リスクに影響しうる約400の因子との関連性が判明したと報告されています。
帯状疱疹を経験者は、未経験者に比べ将来的に認知症と診断されるリスクが高いと考えられています。
帯状疱疹を1回経験した人に比べ、2回以上繰り返した人の認知症リスクは7〜9%も高いことが示されています。これは、ウイルスの再活性化が体への「負担」を増大させ、認知症リスクも高める可能性を示唆しています。
日本国内の帯状疱疹
帯状疱疹は、支配神経領域に疼痛を伴い、水疱が出現します。
合併症として発症後3ヵ月以上痛みが持続する場合は、帯状疱疹後神経(PHN)の可能性があります。
1997~2020年の検証では、高齢者の帯状疱疹は年々増加傾向を見せ、罹患率は50代から上昇し、70代でピークを達しています。
髄膜炎、脳炎、ラムゼイ・ハント症候群といった生命の危険や神経学的後遺症に注意が必要です。
帯状疱疹予防ワクチンの効果
帯状疱疹の予防ワクチンを接種した人は、接種していない人と比べ、認知症リスクの軽減が確認されています。
それは、ワクチンによってウイルスの再活性化を抑えられ、脳が炎症を起こす根本的な原因をブロックし、ウイルスの暴走を防ぐためです。
また、最新の帯状疱疹ワクチンに含まれる「アジュバント(免疫を高める補助成分)」は、脳内のゴミ(アミロイドβ)を掃除する免疫細胞を元気にさせているのではないか、という説も大いに注目されます。
帯状疱疹の予防ワクチンを接種した人は、接種していない人と比べ、認知症リスクの軽減が確認され、効果の高い不活化ワクチンを2回接種した場合、認知症リスクが27%低減しましたとの報告があります。
今回の研究結果は、帯状疱疹ワクチンが認知症を「直接的に」予防できないとしても、帯状疱疹の発症を効果的に抑え、結果的に認知症リスクを低減する可能性が強いことを示しています。
とくに、現在主流となっている不活化ワクチン(シングリックス)は、高い予防効果が長期間持続します。過去に帯状疱疹を経験した方は、他の認知症リスク因子(高血圧、糖尿病、喫煙、運動不足など)を管理することで、予防に積極的に取り組むことが推奨されています。
高齢者以外の接種推奨者
• 免疫不全疾患のある方。
• 妊婦。水痘に罹患すると流産や先天性水痘症候群になるリスクがあります。
•低年齢期に水痘に罹患しなかった方。
2021年9月の国立健康危機管理研究機構(旧国立感染症研究所)の報告では、入院した水痘患者は成人割合が71.2%と高率でした。
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